珍しい入舟石と美しい苔の絨毯が楽しめる蓮華寺

蓮華寺は天台宗のお寺。江戸初期に加賀藩の家老今枝近義が洛中から移し再興されました。本堂前に六角形急勾配の笠をつけた蓮華寺型石灯籠があります。

◆庭園レポート
庭園は池泉廻遊式で石川丈山の作であるとも伝えられているようですが詳細は不明です。湧き水を引いた池がある、池泉鑑賞式の庭園。池の対岸に浄土が表現されています。訪れた日の前の日が雨だったため池泉の水が濁っていまして少し残念でした。湧き水を引いているらしいので透き通ったとてもきらめきのある水だったのでは…と想像できます。
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池の右手前には舟石(ふないし)と呼ばれる石が配置されています。舟石を置く庭園は珍しいうえに蓮華寺の舟石は入舟の形をしている点でさらに珍しいようです。

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規模は小さいですが庭園を回遊もでき、書院から庭園に下りて美しい苔を眺め葉擦れの爽やかな音に心を浮かせ、肩の力が抜けるような庭園でした。


◆拝観
9:00~17:00
※8/24午前中のみ拝観不可

◆拝観料
400円

◆所要時間
20分ほど

◆アクセス
京都府京都市左京区上高野八幡町1  地図
京都駅から京都バス17, 18系統「上橋」下車


◆歴史のこばなし
平安時代には寝殿造りの館と池泉のある大きな極楽浄土をイメージした庭園「浄土庭園」が貴族の間で流行しました。
京都・宇治の平等院庭園や平泉の毛越寺庭園がその代表です。大きな回遊式の庭園であることが特長です。

鎌倉時代になると書院建築が中心となりそれに合わせて、部屋から座って眺める「座視観賞式庭園」が生まれました。

室町時代には禅宗を中心に池泉を取り入れない枯山水庭園が生まれ、庭園の面積も小さくなっていきます。石で大きな山や海、島などをイメージさせるなど日本庭園の象徴的な技法「枯山水」が発達し、日本独特の庭園文化が完成されました。

桃山時代以降は戦国武将や大名が庭園づくりをリード。この時代の茶の湯の発展とともに限られた狭い空間にきめ細かな創意工夫を凝らした「露地」が生まれました。

江戸時代は再び回遊式の大池泉を中心とした大名庭園が各地に造られていきました。長く続いた平安時代と江戸時代は庭園に関しても大きな回遊式のものが好まれたという共通点がおもしろいですね