高野山は平安時代のはじめに弘法大師・空海によって開かれた真言宗の聖地です。
「金剛峯寺(こんごうぶじ)」という名称は、お大師さまが『金剛峯楼閣一切瑜伽瑜祇経(こんごうぶろうかくいっさいゆがゆぎきょう)』というお経より名付けられたと伝えられています。
◆庭園レポート
蟠龍庭(ばんりゅうてい)は約5,000坪!日本一の規模を誇る石庭です。庭園には「雲海」が表現され、この雲海の中には雌雄一対の龍が奥殿を守っているように表現されています。弘法大師御入定1150年・御遠忌大法会の際に造園されました。
とにかく広いし石もでかいし、自分がポツンと宇宙に取り残されたよう。自分の存在なんて大海の一滴に過ぎない、先のことを心配してクサクサ悩んでいることが杞憂に思えてくるくらい、圧倒的なお庭でした。
◆拝観
無休
◆拝観料
500円
◆所要時間
20分ほど
◆アクセス
和歌山県伊都郡高野町高野山132 ⇒地図
南海高野線 極楽橋駅下車→南海高野山ケーブルで高野山駅
◆歴史のこばなし
比叡山の天台宗と高野山の真言宗が「密教」と呼ばれているのは平等院鳳凰堂の歴史のこばなしでご紹介しましたが、中でも真言宗は”密教法具”と呼ばれる不思議な形の法具を使います。
金剛杵(こんごうしょ)”と呼ばれる法具は元々は古代インドの神々が持つ武器でした。この武器を煩悩を打ち払うシンボルとして、密教法具に取り入れたのがはじまりだそうです。
刃が1本のもの独鈷杵(どっこしょ)、刃が3本のものを三鈷杵(さんこしょ)、刃が5本のものを五鈷杵(ごこしょ)と呼びます。それぞれ表す意味も違います。
独鈷杵は現世で祈る人と大日如来が一体となることを表わしています。
三鈷杵は現世で祈る人の三業(身業、口業、意業)が大日如来の三密に通じることを表わしています。
五鈷杵は現世で祈る人の五欲煩悩が大日如来の五智につながり、加持により五欲煩悩が打ち砕かれることを表しています。
それぞれ、造形がとても美しいので真言宗の寺院に行く際にはぜひご覧ください。真言宗の寺院ではお守りとして小さな金剛杵も販売されています。