夢窓疎石の設計が光る西芳寺“苔寺”

禅の庭

西芳寺は約120種類の苔が覆い、まるで緑のじゅうたんを敷き詰めたような美しさから苔寺と呼ばれています。約9千坪にも及ぶ庭園は年間を通して非常に美しい景観を楽しませてくれます。
奈良時代、行基菩薩の開創と伝えられる古刹で、兵乱などで荒廃の後、暦応2年(1339)に夢窓疎石により再建されました。
庭園は上下二段構えの造りで、上段には枯山水の庭、下段には「心」の字を描く黄金池を中心とした池泉回遊式の庭を配置、その見事な設計は後の日本庭園に大きな影響を与えています。また足利義政が銀閣寺を建てるときに庭や建物を、この西芳寺を模して作ったことは有名な話です。ちなみに故スティーブ・ジョブズもお忍びで西芳寺をよく訪れていたとか。西芳寺の庭園見学は予約が必要です。

庭園レポート
私が西芳寺を訪れたのは6月のちょうど苔が見頃の時期でした。しかも雨上がりだったので苔が青々とみずみずしく覆い茂っていました。
最大に自然美を活かしつつ、丁寧に丁寧に手入れされた苔生した池泉回遊式庭園は作意が随所に感じられてものすごく素敵なお庭でした。ちなみに写経体験もできます(要申込)。
筆は持参でとのことでしたので邪道ですが筆ペンを持っていきました…。心願を書く欄には「金銀財宝健康第一」というものすごく煩悩に溢れた心願を書いてしまい、写経して心身を清らかにするどころか自分の強欲さに驚かんばかりでしたが、自分の本質と向き合うためとしては功を奏したような気もしないでもないです。


見事なホソバオキナゴケ!もっこもこのもっふもふ。


◆拝観
事前申込みが必要です。

◆拝観料
3,000円(写経込み)

◆所要時間
写経 30分ほど
庭園見学 1時間ほど

◆アクセス
京都市西京区松尾神ヶ谷町56 地図
京都バス「苔寺・すず虫寺」下車、すぐ。阪急電鉄嵐山線松尾大社駅下車、徒歩20分


 

ikeda

ikeda

日本庭園(特に古庭園)と歴史が好き。歴史のアレコレを調べるのと庭巡りがライフワークの管理人が発信するブログです。

関連記事

TOP