300以上の石で構成された圧巻の石組みが素晴らしい宝光寺

仏教の庭

東かがわ市の宝光寺は980年頃に開基された古刹。「安産」の寺として知られています。1999年に江戸後期の石庭が発見。山の傾斜に300個以上の石で構成された庭は香川県の指定名勝になっています。

庭園レポート

約300以上の石で構成されていて圧巻です!青く見える池の水は池の底に生えた藍藻の色なんです。水の透明度が高いのでこんな風に見えていました。なんとも美しい色でときめきます。


石組はその石の多さや山裾の傾斜地を利用している点も、山梨の東光寺を少し思い出しました。大きい石でどどんっと構成される石組も、このように小さめの石をたくさん組むのもどちらもいいですよね。とにかく石組はいい…!石組みは日本庭園の主役…!


◆拝観
年中無休(境内)

◆拝観料
無料

◆所要時間
15分程

◆アクセス
東かがわ市東山1200
JR高徳線 三本松駅・讃岐白鳥駅(白鳥神社前)より路線バス
「東山」バス停下車 徒歩約20分


歴史コラム

庭の何が好きなの?という質問をされると好きな要素がありすぎて困ってしまうのですが、その一つの大きい要素として「石組がすごく好き…!」というのがあります。

一体、いつから庭に石を組みだしたのか…?

日本最古の庭園として有名な奈良県の「宮跡庭園(復元)」には小ぶりですが力強い石組が見られます。

注目すべきは加工された石ではなく自然石で修景されていることです。この時代にすでに日本庭園の独自の技術「自然のまま石を活用」が見られること、また自然崇拝を反映していたことも読み取れます。

自然の石に神性を感じて自然の石に神仏が宿るという感性を持つ日本の文化だからこそ石組みは発達しました。自然石はひとつひとつバラバラで一つとして同じものがありません。加工された石では出せない表現や味わいを用い、自然石の持つ個性を活かして作庭するのも日本庭園の醍醐味です。

本庭園では古くから石の三分の二は地中に埋め、三分の一のみを地上に見せるようにする技法が定着しています。不動、不変を体現するのに石組みでは安定感がもっとも重要だからです。永遠性の象徴ともいえます。

ikeda

ikeda

日本庭園(主に古庭園)と歴史が好きな管理人が日本庭園の紹介と歴史コラムをと書いています。京都芸術大学大学院環境デザイン領域日本庭園分野を修了。書いた論文を当サイト内でも公開しています。

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