岩盤を彫った最高にカッコイイ意匠、瑞泉寺庭園

禅の庭

瑞泉寺は鎌倉公方(鎌倉幕府の長)の菩提寺として、鎌倉五山に次ぐ関東十刹に列せられた格式のある臨済宗円覚寺派の寺院です。昭和45年に発掘され、夢窓疎石が作庭したとして国の名勝に指定されている庭園があります。

◆庭園レポート
とにかくwebの写真で見た時から「これが見たい!」と言ってこの庭園を見に行くことを目的に鎌倉旅行を決めたようなものでした。「岩盤を彫刻的手法によって庭園となした、「岩庭」とも呼ぶべきこの庭園は、書院庭園のさきがけをなすものであり、鎌倉に残る鎌倉時代唯一の庭園なのです。」とあるように、岩盤をそのまま意匠に取り込んでいて、とくに座禅のためにほったという「座禅窟」がとてもかっこいいです。最高にクール
ただ立ち入りが禁止されているので眺めることしかできません。でもほんとあまりのかっこよさに痺れました。また行きたいなあ…と頻繁に思い返す庭園のうちの一つです。
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※画像は公式サイトからお借りしました。座禅窟からの眺め(座禅窟の中には入れません)


◆拝観
年中無休 9:00~17:00

◆拝観料
200円

◆所要時間
15分ほど

◆アクセス
鎌倉市二階堂710 地図
鎌倉駅から京急バス[20・4番]大塔宮行き  大塔宮下車 徒歩10分


◆歴史のこばなし
よく聞く「五山十刹」ってなんなんだ、と。「五山十刹の制」とは室町時代、足利義満の頃に正式決定した制度のことで、臨済宗の寺院を組織化ランク付けしたもので、室町幕府が保護し国家の統制下に置きました。京都の「南禅寺を別格」として、その下に

京都五山 1.天龍寺 2.相国寺 3.建仁寺 4.東福寺 5.万寿寺
鎌倉五山 1.建長寺 2.円覚寺 3.寿福寺 4.浄智寺 5.浄妙寺

と格付けしました。さらにその下に十刹という格付けを追加しました。

京都十刹
1.等持寺  2.臨川寺 3.真如寺 4.北禅寺 5.宝幢寺
6.普門寺  7.広覚寺  8.妙光寺 9.大徳寺  10.竜翔寺

鎌倉十刹
1.禅興寺  2.瑞泉寺  3.東勝寺 4.万寿寺 5.大慶寺
6.興聖寺 7.東漸寺  8.善福寺 9.法泉寺  10.長楽寺

なんで臨済宗の寺だけ幕府が直々に格付けして保護しているの?という疑問についてはこちらをお読みください。

 

ikeda

ikeda

日本庭園(主に古庭園)と歴史が好きな管理人が日本庭園の紹介と歴史コラムをと書いています。京都芸術大学大学院環境デザイン領域日本庭園分野を修了。書いた論文を当サイト内でも公開しています。

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