国宝茶室“待庵”が見学できる妙喜庵

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妙喜庵(みょうきあん)は京都の大山崎町にある臨済宗東福寺派の寺院です。国宝である、日本最古の茶室建造物であると同時に千利休作と信じうる唯一の現存茶室の“待庵”があります。現在一般化している、にじり口が設けられた小間(こま)の茶室の原型かつ数奇屋建築の原型とされています。寺伝には、天正10年(1582年)の山崎の戦いのおり羽柴秀吉の陣中に千利休により建てられた二畳隅炉の茶室を解体し移築したとあるそうです。

◆いけこボイス
現在、茶室の国宝は三つあり、愛知県犬山市の有楽苑に移築されている『如庵(じょあん)』(織田有楽斎の作と伝えられている)、京都、大徳寺塔頭・龍光院の『蜜庵(みったん)』(小堀遠州の作と伝えられている)、そしてここ山崎の妙喜庵にある『待庵』(千利休の作と伝えられている)です。『如庵』は有楽苑にいけば見学可能で、『蜜庵』は非公開で見ることはできません、『待庵』は事前予約をしておけば見学することが可能です。ただ電話やメールでの予約が不可で往復はがきのみでの受付なので一ヶ月くらいは見越しておいた方がよさそうです。予約して『待庵』を見学してみました。方丈前にはこじんまりとした庭園があります。待庵の外観は撮影OKですが内部は保護のため撮影禁止となっていました。外からじっくり内部の見学ができます。薄暗くたった二畳しかありませんが、連子窓といわれる窓からの光の取り入れ具合や天井の角度や創意工夫からとても空間に奥行きを感じました。点と点とを結んで唯一の小宇宙を作る計算され尽くした侘びと、渋さの真髄を感じられるさすがの茶室で本当に感動しました。その後はせっかく山崎にきたので天王山に登り(途中の展望台まででしたら往復1時間強くらい)天王山の戦いに思いを馳せて、SUNTORYの山崎工場の見学に行きウィスキーの試飲を楽しんでほろ酔いで帰りました。
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◆歴史コラム
千利休は豊臣家の茶道筆頭として秀吉の相談役や家臣たちのまとめ役としても活躍し、豊臣家のブレーン的存在でした。しかし秀吉の天下統一、豊臣秀頼の誕生、そして弟・秀長の死去以後、秀吉と利休の関係は狂い始めます。秀吉が利休を政治の世界から排除しようとした理由としては諸説ありますが、一つには茶道を通じて千利休が諸大名と並々ならぬネットワークを構築していたこと、またそれに付随する大きすぎる影響力というものがあったようです。天下を統一したとはいえまだまだ盤石でない時に万が一、利休が離反してそのネットワークごと徳川家康にでも寝返ったら一大事。そうさせないためには利休を殺してしまうのが一番の方策と考えた秀吉はとんでもない言いがかり(大徳寺の山門に利休の木造を安置したことが、山門を通る秀吉含め高貴な人々をバカにしているとか、利休は器を高利で売りつけ慢心しているとか)をつけ(実際に諫言したのは石田三成だとか)利休を切腹させてしまいます。茶人でありながら政治の世界でも大きく躍進した千利休のあまりにもな最期です。

◆拝観
往復はがきでの事前予約が必要

◆近隣の御食事処
山崎駅近くにあるの担々麺はとても美味しいです。カウンターしかなく席数が少ないのと人気店なので少し並ばないといけませんが…。レストランタガミの生パスタもモチモチで美味しかったです。春や秋はテラス席が気持ちよくてオススメです。

◆アクセス
京都府乙訓郡大山崎町竜光56
電車:JR山崎駅、徒歩約1分。阪急大山崎駅からは、それぞれ5分