重森三玲の4つのお庭が楽しめる、松尾大社

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松尾大社は渡来人であった秦氏が一族の氏神として信仰した古い社です。境内に霊亀ノ滝、亀ノ井の名水があり、酒造家の信仰が厚い。室町初期の作で松尾造といわれる本殿(重要文化財)ほか拝殿、釣殿、楼門など社殿が多く、等身大の神像(重要文化財)は平安初期の作だそうです。

◆庭園レポート
松尾大社には、曲水の庭、即興の庭、上古の庭、蓬莱の庭と4つの庭園があります。どれも重森三玲の作で、「曲水の庭」は平安時代の庭園を模範にした構成で、高木類を配置しない開放感のあるつくりとなっています。平安貴族が慣れ親しんだ「雅遊の場」をイメージされているらしく、優雅な雰囲気も漂わせています。ゆっくりと流れる水音と山からふわりと吹いてくる風と、やわらかな曲線とが相まって閑やかな空間です。
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「上古の庭」は山中にある磐座に因んだ構成になっています。さきほどの「曲水の庭」とは打って変わった荒々しさというか、原始的なイメージのお庭です。磐座にそのまま神が坐していても不思議ではないよう野趣あふれるお庭です
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「蓬莱の庭」は蓬莱神仙の世界を池の中で表現した開放的でありながら精神世界の高い池泉庭園。「蓬莱の庭」は回遊しながら観れるので360度どこからみても楽しめるのと、立つ位置や目線の高さによって印象もガラリと変わるのでぜひ「ここから見るのが一番キュンとする!」というお気に入りスポットを探してみては。そして周りを高木で囲われているので結界が非常にハッキリしているのが素敵でした。空間の区切りが明瞭なので現し世を忘れられるというか「あら、ついに蓬莱に到達したんやな」とは思い至りませんでしたがしばらく池面を見ながら、心のどかにいれるお庭でした。
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◆歴史のこばなし
神社の庭園は石(岩)を神格化しています。これは古代神道の「磐座信仰」に起因しています。磐座信仰とは自然崇拝の一種で、岩(巨石)は神が降りて来た時に坐るものだとしたり、神事の際の神の依り代として岩を使用したりしてきました。自然崇拝には、岩だけではなく木に対するものや山や森に対しての崇拝もあります。木はご神木として、山や森は禁足地として崇拝の対象にされてきました。神道は宗教ではなく自然発生的な民間信仰ですので明確な経典はないのですが「古事記」「日本書紀」に重きを置いています。「古事記」などに記述されている古典神話はまさに「太陽・月・海・火・木・岩・鉄」など様々な神々が登場します。まさに八百万神。その太陽神・天照大神を祀ったのが伊勢神宮で、古事記に登場する様々な神々や各地域の氏神や産土神を祀るために全国各地に神社が建てられ、神道は広がってきました。ですので、神社では自然崇拝の流れを汲んで、石を神格化しているんですね。

◆近隣の御食事処
近隣にお店は少ない(ほぼなかった記憶)ですので、京都駅付近で済ませた方がベターです。

◆アクセス
阪急電車「松尾大社」駅下車
JR京都駅→(地下鉄)→四条烏丸→(阪急京都線)→桂→(阪急嵐山線)→松尾大社