ピタリと時が止まったかのような静寂と美しさ  東寺・観智院

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観智院は東寺真言宗・東寺の塔頭の一つ。真言密教の経典が多数所蔵された真言宗の勧学院、大学の研究室のような立ち位置で、観智院からは多くの学僧が輩出されています。

◆庭園レポート
そんな観智院には二つの庭園があります。真言密教の無限の宇宙観と涅槃静寂(ねはんせいじゃく)の境地を表す「長者の庭」は2017年に新たに作庭された枯山水様式の庭園です。
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真っ白の白砂の中央に伸びあがる見事な松。きりりと美しい静けさ漂う庭園です。

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桃山時代の作庭と言われる「四方正面の庭」は植栽がこんもり、ボリュームがあり瑞々しさでいっぱいのお庭でした。
観智院は江戸時代初期に剣豪・宮本武蔵が「一乗寺下り松の決闘」の後、一時身を隠した事でも知られています。客殿には宮本武蔵が描いた水墨画が遺されていました。襖画・竹林の図は交差する二本の竹が描かれており、交差する剣のような緊張感があり気迫を感じさせます。しかも宮本武蔵はあの長谷川等伯に師事していたそうです。

◆歴史のこばなし
「寺」と「院」と「庵」の違いについてなんとなくご存知の方も多いのではないでしょうか。

「寺」とは高級官僚や外国からの来賓を宿泊させる建物のことを表していたのだそうですが、現代では僧侶が住む建物のことが多いようです。
「院」とは寺の敷地内の一部の別の建物のことです。塔頭なども「院」がついている場合が多いですね。

「庵」は「あん」や「いおり」と呼ばれ、出家した人や世俗を離れた隠遁者が住む小さい建物のこと。法然が説法をしていた”吉水草庵跡”など「庵」がついていますね。

ちなみに、寺院の名前の最初に山号がつくのは、昔はほとんどの寺院が山の中に建てられていたので寺院の所在地を示すためにつけられたものです。
お寺の正面の門の事を「山門」というのも、これが由来のようです。

◆アクセス
京都府京都市南区九条町403 地図
JR京都駅から徒歩15分