迫力のある巨石を間近に見れる、宝厳院・獅子吼の庭

禅の庭

宝厳院は、臨済宗天龍寺派の塔頭寺院です。室町時代に聖仲永光禅師を開山に迎え創建されました。庭園「獅子吼の庭(ししくのにわ)」は室町時代の禅僧・策彦周良禅師によって作庭されています。嵐山を借景として巧みに取り入れ、また「獅子岩」等の巨岩を配した借景回遊式庭園であり、江戸時代の京都の名所名園を収録した【都林泉名勝図会】にも掲載されています。

◆庭園レポート
「五感で庭を感じる回遊式庭園」らしく、「わあ!」とか「おお!」っとなるような美しい巨石や龍門瀑の滝壺の表現が面白かったりと、感覚で楽しむ感じを受けました
鳥の声や風の音を聞くことによって人生の真理、正道を肌で感じさせる「無言の説法」を目的としているお庭らしいです。新緑の季節に行ったのですが、芽吹いた緑がこれでもかというほどに輝いていてなんというか、晴れやかな心持ちになりました。紅葉の時期も見応えがあるそうなのですが、嵐山にありますので大変な人出になるのかもしれませんね。
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◆拝観
特別公開時期のみ 9:00~17:00

◆拝観料
500円

◆所要時間
30分ほど

◆アクセス
京都市右京区嵯峨天竜寺芒ノ馬場町36 地図
京福電鉄嵐山線「嵐山」駅下車 すぐ
JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅下車 徒歩13分
阪急電車「嵐山」駅下車 徒歩15分


◆歴史のこばなし
「都林泉名勝図会」(みやこりんせんめいしょうずえ)は江戸時代末期に秋里籬島によって書かれた「名園案内ガイドブック」のようなものです。各名園の説明文と三人の絵師による写生で構成された本です。

今では、庭園を訪れて庭園の作意などを見るには寺院で無料配布されるパンフレットやwebサイト、書店で販売されているポケットブックなどがたくさんありますが、江戸時代にはそんなものはありませんでした。

ですので、当時の人にとっても、ありがたいもののようだったようで江戸で大ヒットの本になったそうです。ちなみに現代訳付きで販売もされていますが今は絶版のようで私はamazonで中古で購入しました。

 

ikeda

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日本庭園(主に古庭園)と歴史が好きな管理人が日本庭園の紹介と歴史コラムをと書いています。京都芸術大学大学院環境デザイン領域日本庭園分野を修了。書いた論文を当サイト内でも公開しています。

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