趣向の違う3つの庭を味わう、妙心寺・塔頭 東海庵

妙心寺は臨済宗妙心寺派の大本山で、広大な敷地内には46にも及ぶ寺院や塔頭が建ち並んでいます。その塔頭のひとつ、東海庵には三つの庭園があります。

◆庭園レポート
「無」を表した方丈庭園は手水鉢以外なにもなく、この上なく清浄!ミニマニスト歓喜?なお庭です。音でいうと「シャキーン」って感じでした。

「書院南庭」は、書院と方丈との間にあります。長方形の坪庭になっていて周囲を廊下がぐるりと。大小7つの石が、ほぼ東西の直線上に配されている。石は7つだが、七五三石組の手法を踏襲しているそうです。それぞれの石は四方を向き、要石より同心円の砂紋が水紋のように周囲に拡がり、うねりながら収縮しては膨張して輪廻していく様を表しているそうです。見る場所を変えると本当に砂紋が躍動的に、増幅して見えるのがとても面白かったです。

書院西庭は「東海一連の庭」と呼ばれている神仙蓬莱の枯山水庭園です。庭の北側に築山が築かれ、北より瀛(えい)州島、方丈島、蓬莱島を表現。その手前に鶴石、平石の礼拝石(安居石)、亀頭尾石が置かれています。


◆拝観
通常非公開

◆所要時間
30分ほど

◆アクセス
京都府京都市右京区花園妙心寺町1 ⇒地図
JR嵯峨野線「花園駅」下車 徒歩5分
市バス91系統「妙心寺前」下車 徒歩4分


◆歴史のこばなし
日本の禅宗といえば臨済宗と曹洞宗の二派が主ですが、その宗派の違いって? 禅の教えを基本にしているので共通項は多く、唱えるお経もどちらとも般若心経です。(※天台宗でも真言宗でも般若心経を読みます。浄土宗と浄土真宗では般若心経は読みません。)臨済宗にはこれを読むべきという経典はないのですが、般若心経は一番よく読まれています。曹洞宗では般若心経は勤行(ごんぎょう)の中心となるお経です。

二つの宗派には最大の違いが1点だけあります。それは座禅の時のスタイルの違い。臨済宗は「黙照禅(もくしょうぜん)」、曹洞宗は「看話禅(かんなぜん)」。「黙照禅」は何も考えず空になり何も求めず座禅をする、「看話禅」は禅問答について考え続け悟りを目指す。ここが根本的に大きく違うそうです。座禅の仕方にそんな違うスタイルがあるなんて知らなかった…。

臨済宗の寺院には立派で大きな寺院が多く庭園もたくさん残されています。こちらの歴史のこばなしにも書いていますが武家政権と親和性が高く、お互い必要としあったようです。その結果、京都を中心に臨済宗の庭園のある臨済宗の寺院が増えました。

しかし武家政権になじんでいったのは臨済宗だけ。曹洞宗は中央の武家政権と距離をおいたといわれており、地方の武家や農民に支持されました。その当時、葬儀は一部の位の高い人しかしていなかったのですが曹洞宗は一般庶民でも葬儀を執り行うことに力を入れてたことも理由の一つです。