枯山水&築山泉水庭の盛々感!桃山様式を色濃く残す旧徳島城表御殿庭園

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旧徳島城表御殿庭園は、1600年頃に徳島城表御殿に面して造られた回遊式庭園です。桃山様式で当時の趣をよく残しているという理由から国の名勝に指定されています。庭園は枯山水庭と築山泉水庭の構成で、徳島ならではの青石がふんだんに使われていることと、東側の堀から海水を引き入れ、潮の干満がわかる「潮入り庭園」であったことが大きな特徴です。作庭は茶人であり戦国時代の武将でもあった上田宗箇(うえだそうこ)であると伝えられています。

◆いけこボイス
上田宗箇の作庭の旧徳島城の御殿庭園を探訪。十年前くらいに訪れた時は庭園にさして興味なかったので「わーキレイ、キレイ」くらいしか思わなかったですけど、改めて観ると、ものすごいっ!枯山水と築山泉水庭の二段構成で、豪奢な美しさと岩組の荒々しさが混じり合って息もつかせぬほど盛り盛り。ドッカーンと派手な印象かと思いきや、細かく見ていくと繊細さや機微が感じられて「こんな面もあったのね…!」とギャップ萌えしまくりました石の上に立って、池を中心に庭園を眺めていると木々の緑と青石の碧と池のみどりが重なり合って、ヒタヒタとあらゆる「みどり」に浸れます。ぜひ、晴れた日の気温の高い日に訪れてほしい。多幸感が半端ないし、自分の栓が緩みます。ピシッとした整然とした庭園を見ると心地よさと同時に栓がキュと閉まって心を改める機会になることも多いですが、この庭園は完全に緩まりました。温浴したあとのホカホカした感じにすごく似ています。しかも驚いたのは入園料の安さ!50円って!最初、桁を間違えて表示してあるんじゃ?とおもったほど。上田宗箇の作庭の庭園は他には広島城や和歌山や名古屋城などにあります。
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枯山水と芝の見事なコントラスト
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この渓谷を模した石組が最高にかっこよかった
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◆歴史コラム
武将に茶人が多かったことはコチラで書きましたが、上田宗箇(重安)も武将茶人でした。元々は丹羽長秀につかえていてその後、豊臣家の家臣となります。なんでも槍の名手で武勇に優れており、常に一番槍じゃないと気が済まなかったとか。武功を挙げながら茶湯に傾倒し、古田織部に師事します。関ヶ原の戦いでは西軍に与したため、領地を召し上げられ浪人となります。蜂須賀家政に請われ客将となり阿波国徳島に住み、この間に家政の依頼で徳島城表御殿庭園を作庭します。その後は姻戚であった紀州藩主・浅野幸長の家臣となることで1万石を与えられ、徳川家康の許しも得て還俗。和歌山で浅野家に仕えている間に和歌山城西の丸庭園を作庭しました。大坂の陣では徳川方として出陣し、敵方の大将の1人である塙直之の首級を挙げるなど戦功を立て将軍徳川秀忠及び大御所家康から激賞されました。敵が迫ってきたので、竹藪に隠れていた折りに美竹を見つけて茶杓を削りはじめ、あまりに無心に削っているため敵兵がかえって怪しんで逃げたという逸話もあります。現在でも残っている上田宗箇作の茶杓“敵がくれ”はこの時の茶杓と伝えられています
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茶杓「敵がくれ」

茶道具展などでは、利休・織部・遠州作の茶碗や茶杓はよく見かけますが、上田宗箇作の茶碗や茶作や花入れなどはまだ見たことないので(覚えていないだけかもしれないけど)ぜひ改めて見たい~。花入れも茶碗もわりと「豪胆」なものが多そうなイメージ。庭園と同じく、ぱっと見のインパクト大だけどよく見ると何とも言えない繊細さが醸し出されていたりするんでしょうか。

◆近隣の御食事処
車で移動したので距離感があまりわからないのですが、徳島ラーメンの人気店・支那そば 王王軒 のラーメンが美味しかったです。とっても濃厚な鶏・豚骨ベースのドロドロのスープ。しかし鰹出汁の風味が合わさって、意外としつこくないかんじ。生卵を入れるのが徳島ラーメン流だそうで、かなりまろやかになります。こってりラーメンは苦手な方なんですが、これは本当に美味しかったです。

◆アクセス
徳島県徳島市徳島町城内1-9
JR徳島駅→徒歩10分
徳島道徳島ICから国道11号経由4km10分