昭和の小堀遠州・中根金作の桃山風庭園、興臨院

禅の庭

興臨院は能登の守護、畠山義総が創建しました。その法名を取って寺名を興臨院としました。
畠山家の衰退と共に荒廃しますが、天正9年(1581)に前田利家によって屋根の葺き替えが行われ、以後、畠山家に加え前田家の菩提寺となります。
創建当時の姿が残る表門と本堂(唐門を含む)が共に重要文化財指定されています。「昭和の小堀遠州」とも言われた作庭家、中根金作が復元した桃山風の荘厳な石組みを持つ方丈庭園があります。
この庭は天台山の石橋を模し、大石・松をあしらって理想的な蓬莱の世界を表現しています。

◆庭園レポート
天台山の石橋を模した、と説明書きにもある通り、この枯山水のみどころは大石と石橋だと思います。
桃山風の荘厳な石組とのことですが、確かに豪華で華やかです。ボーっと眺めていると峡谷の景色が眼下に広がってくるようなそんな気持ちになりました。風がふわっと吹いたら峡谷の景色が動いてみえるようなそんな臨場感を感じさせてくれる庭園でした
涵虚亭(かんきょてい)という古田織部好みの四畳台目に隅板を加えた茶室もありました。
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◆拝観
春と秋の特別公開期間のみ 10:00~16:00

◆拝観料
大人600円

◆所要時間
20分ほど

◆アクセス
京都市北区大徳寺町80 地図
地下鉄烏丸線京都駅から国際会館行き→北大路駅下車
北大路バスターミナル青のりばから市バス1・101・102・204・205・206系統


◆歴史のこばなし
畠山家が建立した興臨院を前田利家が補修してさらに自分の家の菩提寺にしたことについて。
能登(石川県)の守護だった畠山家が上杉謙信によって滅亡させられて衰退していた菩提寺を、後年、能登・加賀を治めることになった前田家がそのままそっくり引き継いだということなんでしょうか。
他家の菩提寺と自分の家の菩提寺を一緒にしちゃうことってよくあることなんでしょうか。
なんというか、おおらかでいいなあと思いました。

ikeda

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日本庭園(特に古庭園)と歴史が好き。歴史のアレコレを調べるのと庭巡りがライフワークの管理人が発信するブログです。

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