市民参加で作られたモダンな枯山水庭園にほっこりする実相院

実相院は元天台宗の寺門派(天台宗には山門派と寺門派がある)の単立寺院。実相院は岩倉門跡とも呼ばれています。

◆庭園レポート
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裏山を背にした池泉庭園は真夏の太陽を浴びて、キランキランに輝いていました。どこか豪胆でダイナミックな雰囲気を感じます。
私は池泉庭園の拝観は緑の濃い夏が一番好きです。まばゆい碧の乱反射のつやめきがたまりません。
枯山水はピリッと凛とした空気の中で鑑賞するのが好きなので真冬に行くのが好きです。四季によってまるで表情が変わるのが日本庭園の醍醐味ですので、自分の好きな探訪を季節を見つけてみてください。

実相院は廊下に映りこむ「床もみじ」が有名です。暗い室内の床に映る緑のコントラストがなんとも見事です(撮影は禁止)。秋の時期には真っ赤な紅葉が映し出されそれはそれは美しいそうです。

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そしてもう一つのお庭、植治・小川勝章氏の監修による市民参加プロジェクトで作られた枯山水庭園がとても良いんです!
比叡山を借景としていて、周囲に高い建物もなくパァ~っとした広がりを感じさせてくれます。
庭の設計がコンテンポラリーなムードを漂わせているのも楽しくなってきます。
春はこの大きな枝垂桜が満開になって夢のような美しさ、紅葉の時期は白砂に紅葉が落ちて赤と白のコントラストが楽しめるようです。四季折々の表情が豊かな庭園です。


◆拝観
不定休 9:00~17:00

◆拝観料
500円

◆所要時間
20分ほど

◆アクセス
左京区岩倉上蔵町121 地図
京都駅より地下鉄烏丸線「国際会館」終点下車
京都バス「岩倉実相院」下車門前


◆歴史のこばなし

実相院は天台宗寺門派の門跡寺院と前述しました。たまに耳にする事がある「門跡寺院(もんぜきじいん)」とは?

皇族、公家が住職を務める特定の寺院のことを「門跡寺院」と鎌倉時代以降呼ぶようになったようです。
武家が実権を持った鎌倉時代以降、経済力が低下した皇室や公家は長男や次男以外の子を出家させることが多くなります。
家系が断絶することがないように、正妻の他に側室を持ちたくさんの子をもうけることは皇族や上流階級では当たり前のことでした。側室制度は明治時代に廃止されるまで続きます。

しかし子どもが多いと多くの出費がかかるもの。そのため嫡男(ちゃくなん)になりえる長男・次男以外は出家させる事が多くなりました。出家させると出費の削減になるだけでなく、領地を同族同士で取り合うことを防ぐこともできます。

家に残った跡取りに万一のことがあれば、出家した子どもが還俗して家を継ぐこともありました。
あの足利義昭も一度は出家していましたが将軍であった兄が暗殺されたあと還俗して、織田信長を頼りに上洛を成功させ、将軍宣下を受けたんですよ。