雲の砂紋に胸がときめく、霊雲院の庭園

禅の庭

霊雲院は東福寺の塔頭の一つ。「九山八海の庭」「臥雲の庭」と2つの庭があります。「九山八海の庭」にある遺愛石は第七世の相雪守元が住職になった際、親交のあった熊本藩主・細川忠利(細川三斎(忠興)の子)がお金をお祝いに送ろうとしたところ「金銭は参禅の邪魔になりますので石をいただければ寺の宝にします」と言い、そこで細川家では「遺愛石」と銘をつけ石を送りました。

◆庭園レポート
「九山八海の庭」は江戸中期につくられたあと荒廃していたものを重森三玲が復元したそうで、ここでも重森三玲の多大なる功績の恩恵を私達は受けているわけです…!
中央の遺愛石が人跡滅し、誰一人として窺い知ることのない須弥山を表します。それを取り囲む白砂の律動的な砂紋は九山八海を表現して仏説の宇宙世界を象徴しているそう。数多くある全庭の中でも異色の禅庭です。(↑トップ画像のお庭)

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「臥雲の庭」は寺の名前をテーマにしてこちらも重森三玲が作庭したもの。空をゆうゆうと流れる雲。何にこだわるでもなく何にわだかまるわけでもなく、ただ無心に水は谷間を流れていきます。その雲や水に美しさと羨望を感じるのが人間です。

この庭は雲の描く美しさと無心に流れる水の美しさを白砂の砂紋や枯滝組で表しているそう。明るく現代的な庭で、ポップな感じを受けました。なんせ、雲の砂紋がすっごく素敵で、紋様好きとしてはときめかざるを得ません。

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◆拝観
不定休(要確認)

◆拝観料
500円

◆所要時間
15分

◆アクセス
京都市東山区本町15丁目801 地図
JR  / 京阪電車 東福寺下車 徒歩約7分

ikeda

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日本庭園(主に古庭園)と歴史が好きな管理人が日本庭園の紹介と歴史コラムをと書いています。京都芸術大学大学院環境デザイン領域日本庭園分野を修了。書いた論文を当サイト内でも公開しています。

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