2019年7月5日開催「Niwasora Night」レポート

イベントレポート

Niwasora主催の日本庭園×音楽のコラボイベント。2019年のNiwasoraNightは、多数のメディアでも大活躍中の北欧スウェーデン出身の庭師・村雨辰剛氏がトークゲスト!音楽ライブは今年も再び登場の、U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESS!今年は開催場所を去年の神戸troopcafeから東京・渋谷のCLUB Circusに移しました。

当日は小雨のパラつくあいにくの天気でしたが…約200名のお客様にお越しいただきました!集まったほとんどのお客様は音楽ライブがお目当てだったのですが、面白そうに村雨さんの庭師トークに耳を傾けていました。

村雨さんにはなぜ日本庭園に惹かれたのか、庭師になった理由やきっかけ、ちょっと真面目に職人の徒弟制度についてなどをお話ししていただきました。
「キツいイメージがある職人の世界ですが、技術を習得しながら、勉強させてもらいながらお金がもらえて日が落ちれば仕事は仕舞い。残業などもないのでむしろホワイトなのではないかと思っている」と。さらにすごい感性の持ち主だなあと思ったのは「毎日違う現場に行くのは、自分にとっては毎日美術館に行っているような気持ちだった」という言葉。

日本庭園の魅力については「人の手を加えることでこんなに表情が変わること、時間の経過を得て劣化するのではなくさらなる美しさを佇まいに備える経年美化の文化であること」を挙げてくれました。

オススメの日本庭園紹介で村雨さんは愛知県の華蔵寺、東京の清澄白河庭園、島根の由志園をピックアップ。愛知県の華蔵寺は愛知県の西尾市にあり村雨さんが修行時代を過ごした思い出の地。そこにある華蔵寺は山裾に位置し、山肌も景観の一部に取り込んだ枯山水庭園。東京の清澄白河庭園は石の素晴らしさをあげていました。石の見方などもお客様にレクチャー。島根の由志園は「清潔感がとにかくすごく清廉さを感じる」とのことでした。私は華蔵寺と由志園は行ったことないので行かなければ…! 村雨さんのトークでみなさん少し日本庭園に興味を持ったようでした。数名のお客様と話す機会があったのですが「まずは近場の清澄白河庭園いきます!」と言ってくれたお客様も!

U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESSのライブは、いつもの通り大盛り上がり!3人のステージを初めて見るという村雨さんも爆笑していました。いや、もちろん演奏はかっこいいんですが環さんと鎮さんのラッパー2人の掛け合いがやっぱり面白すぎるので…。さきほど村雨さんがトーク話した石の見立てや枯山水のことを即興でフリースタイルラップに。さすがです。

ライブ後半、BUNKAが始まりそうになると鎮さんが「タカシ…タカシ…」と呼びだして。すると会場に遊びにきていた、ハナレグミの永積タカシさんが客席をかき分けステージへ…!BUNKAのMVでラッパーの似顔絵イラストを担当している永積さん。開演前、楽屋で3人が「タカシ、ステージに呼んじゃおうか~」って冗談で言ってたのは聞いてましたがまさか本当に呼ぶとは&永積さんも出るんだ!?!?っていう感じでほんっとうに驚きました…。そのままステージで歌とラップを披露してくれて。お客さんも大興奮でおおいに盛り上がりました。

今回のNiwasoraNightは前回と違い、庭師のトークコーナーを加えてみました。「音楽ライブ目当てのお客さんはつまらなく感じるんじゃないかな」と少し心配に思っていましたが意外や意外、そんなことはなく。みなさん興味深そうに聞いていたのが新鮮でした。とあるお客さんに「庭園の話はよくわからないとこもあったけど、庭園が大好きなお二人が話している姿がとっても楽しかった」と言っていただけたことが胸に残っています。私も誰かが夢中になって話している姿とか一所懸命推してる姿を面白いな、楽しいなって思うよなあ、と。そんな感じで、日本庭園が好き!を全面に押し出した楽しいだけのイベントでいいのかもしれません。まずは日本庭園の魅力を少しでも感じてもらうこと、そこから。

ご出演いただいた村雨辰剛さん、U-zhaanさん、環ROYさん、鎮座DOPENESSさん、Circus Tokyoの皆様、そして遊びにきていただいたお客様に感謝申し上げます。

↑左から永積さん、村雨さん、ユザーンさん、環さん、鎮さん

またどこかでお会いできるのを楽しみにしております!

Niwasora 池田

ikeda

ikeda

日本庭園(主に古庭園)と歴史が好きな管理人が日本庭園の紹介と歴史コラムをと書いています。京都芸術大学大学院環境デザイン領域日本庭園分野を修了。書いた論文を当サイト内でも公開しています。

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